「02.

    秘め事」

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青い芝の広がる、グラウンド…
そこここに転がる、兵どもが夢の跡…

「…ったく、少しは、成長したらどうなんですっ!?いちいちあんな奴らの戯言を真に受け

ていたら、勝負もなにもあったもんじゃないっ!……聞いてるんですか!?三蔵!!」
「……………………」


「おい…八戒……もう、その辺で……」

チームメイトが、仲裁に入る……しかし、八戒の怒りは治まる気配さえない。


そう……ここは、野球場のロッカーRoom。
チームの柱、キャッチャーの猪八戒、エースピッチャーの玄奘三蔵の言い争いの真っ最中

なのだ。(いや……一方的に八戒が、怒鳴りつけているように……しか、見えないが……)
彼らの所属するチームは、なかなどうして、強い……

しかし、その勝敗は、ある選手の気分で変わる…といってもいいのだ。
そう……頭から湯気を出しそうな勢いで怒鳴っている八戒の向かい側、

涼しい顔で、着替えをしている金髪の男…「玄奘三蔵」だ。
そのクールなマスクで、球種は、絶対に、読まれることは無い。
本気のストレートは、打つ者を金縛りにしてしまう、鋭さだ。だが…

『切れやすい』

そう、たった一つのこの弱点が、三蔵が登板した試合を乱闘試合に変える事、数知れず……
そんな三蔵を好リードしているのが、八戒。チームメイトからは、

影の番長と噂されるほど、その極上の笑顔には、ある一種の『すごみ』があった。
その八戒が、怒りも露わに三蔵に食ってかかっているのだ。
誰もが、その成り行きを見守るしかなかった…

「今夜という今夜は…とことん!聞いてもらいますからね!来て下さい!」
「…………………」

言われるだけ言われ、引きずられるようにロッカーRoomを後にする三蔵。
残されたチームメイトの口からは、揃えたような溜息…

「…ご愁傷様……三蔵さん……」















二人は、三蔵のマンションの一室で対峙していた。
張り詰めた緊張の沈黙を破ったのは…三蔵…

「…おい……八戒……」
「…ん?…なんですか…?」

ずいと、立ち上がった三蔵は、八戒の胸倉を掴みあげ、凄んだ声で…

「…さっきは…どうも………」
「…さ、三蔵……?あ、あれは……ですね……い、いやだなぁ、わかってる、くせに……」
「…フン………」
「…ちょっと……演技過剰気味、でしたけどねぇ……」

…なにやらも雲行きが……?

「…あれが……お前の考えた『ばれない方法』ってヤツか?」
「…名演技、だったと思いますよぉ〜、少なくとも、二人がこういう関係だなんて、

誰も思いやしませんって」
「……たぶんな……だが…」

そこまで、言うと……噛み付くような口付けを三蔵は、与えた…

「……うっ……んんっ!」
強く、吸い上げられ、苦痛の声をあげる八戒……

「……俺は…バレたってかまわねーんだ……いつでも……こんな事が、

お前に…出来る…からな……」

八戒の動きを封じながら、シャツの前を肌蹴ていく…

…すでに上気した肌が、三蔵を誘っているようにみえる…

「…フッ……まだ、肝心な事は、してねぇんだぜ?……八戒……?」
「…や…やめてください……三蔵……さっきの事は…………あうっ!?」
「今夜は………泊まってくだろ……?」

……八戒の喉が、喘ぐように呼吸を嚥下している……


……まずった、ですかね……?













次の日……

「八戒さん!今日の三蔵さん、絶好調ですね!やっぱり、

三蔵さんをコントロール出来るのは、八戒さんだけですね!すごいです!」
「…あ?…あははははは……そ、そうだよ、全部、僕に任せておけば、いいんだよ!」

……そう……この僕の超腰のだるさと引き換えに………はぁぁ………


END

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す、すみません..お笑いです..
お目汚しかと..
MITSUKO、反省....<m(__)m>