「03.

   


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「あ゛〜〜っ!俺ら、こっから、いつ、出られんだよぉ〜〜」
「さぁ……?」
「『さぁ……?』って…他人事みたいにぃ〜〜」


届かない光、届かない気持ち。
神様さえ、知らない場所(天国)


「んじゃ、時間潰しでも、しよっか?」
「ん?」
「とりあえず、外して?手錠…」
「…んっ……!」


秘められた力が、二人を解放する。
コンクリート1枚隔てた向こうの、「罪」に気づかないふりで…


「って…何してんの?久保ちゃん……」
「何って……閉じ込められてする事、無いじゃん、俺達」
「うん、確かに…」
「で、運良く、滝沢は、気絶中…」
「うんうん…」
「んでもって、いい具合に…時任が、怪我、してる…」
「はぁ…??」
「……そそる……その、真っ赤な……血……」
「…ウゲッ………っ!」


手首の戒め。
禁忌の色…
抱きしめる、腕。


「な……何、考えてんだよ……っ!こんなトコで……っ!?」
「何、考えてる…って……決まってるじゃん…お前のことしか……考えてないよ……」
「………………!?く、久保ちゃん………」
「…隙ありvv」
「うわっ!?…や、やめ………っ!」
「……却下…」
「……ふっ……あぁ………隣……滝………が………ああっ!!」



閉じ込められた呼吸が、澱み続ける空間で、
ただ、求め、充足する、ただ、その一瞬の為。
それだけが、すべてで、
互いの血を貪り、罪を欲して、心に、毒を散らす…
心の中に、お前を傷つける牙を持とう、
心の中に、お前を殺せる…角を持とう……

…一緒に逝ける為に


それが――――――愛してる


俺の…………………




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雑誌の表紙を見て、妄想してみました...
久々の久保時...どうですか?

MITSUKO