「05.

    雨」

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音、

雨が、発する音。

乾いた地面を叩きつける音。

天の向かって、手を伸ばす…草木を、

撫でる、音……


そして……雨が、連れて来る、悲鳴………


「ああ……雨、なんですね…」
「…ん?……そうか……?」
「気が付きませんでした?」


――気づかなかったのは、夢中になっていたから…?


「そんなに…よかった、ですか?」


悪戯な言葉が、三蔵の上に、降る。


「………………!?」
「…そんな顔……しないで、ください…また、欲しくなっちゃいます…」
「……八戒…お前なぁ……」


情事の余韻の残る、紫暗が、期待に、揺れる……


「……じゃあ……ご希望にお答え…して……」





…ねぇ、三蔵……

…なんだ…?

……このまま……

………………?

…このままじゃ、ダメ、なんでしょうか……

……何をだ…?

…いえ……いいんです……ただの、我侭、ですから……














雨粒が、流れる音。

霞む、景色…

窓の外は、雨……

ずっと、雨……

でも、降り止まない雨は、無い…










「……八戒………」
「…はい?」
「……お前は、変わらない…んだろう?」
「クスッ…取り合えずは……ですかね……」
「………ふん……」



再び、熱くなる身体を寄せる…


互いの腕(かいな)に、すべてを包み込んで…