音、
雨が、発する音。
乾いた地面を叩きつける音。
天の向かって、手を伸ばす…草木を、
撫でる、音……
そして……雨が、連れて来る、悲鳴………
「ああ……雨、なんですね…」
「…ん?……そうか……?」
「気が付きませんでした?」
――気づかなかったのは、夢中になっていたから…?
「そんなに…よかった、ですか?」
悪戯な言葉が、三蔵の上に、降る。
「………………!?」
「…そんな顔……しないで、ください…また、欲しくなっちゃいます…」
「……八戒…お前なぁ……」
情事の余韻の残る、紫暗が、期待に、揺れる……
「……じゃあ……ご希望にお答え…して……」
…ねぇ、三蔵……
…なんだ…?
……このまま……
………………?
…このままじゃ、ダメ、なんでしょうか……
……何をだ…?
…いえ……いいんです……ただの、我侭、ですから……
雨粒が、流れる音。
霞む、景色…
窓の外は、雨……
ずっと、雨……
でも、降り止まない雨は、無い…
「……八戒………」
「…はい?」
「……お前は、変わらない…んだろう?」
「クスッ…取り合えずは……ですかね……」
「………ふん……」
再び、熱くなる身体を寄せる…
互いの腕(かいな)に、すべてを包み込んで…