廻り続ける世界によせる13題

12 太陽と月が墜ちても




失望、
喪失、
破壊…
すべての負の感情がシンを犯していく…
行かないでと背中に爪を立てたのは、数刻前…
「んっ……ふ……………」
性急に互いの衣服を剥ぎ取り、ベッドへ沈む。噛み付くような口付けがシンを襲う。
「ユダっ……」
息苦しいまでの愛撫にシンは、至上の幸福を感じた。
「…今夜は…ずっと…あなたと……」
はっきりとユダを求めたのは、初めてだったかもしれないと後日、シンは思った。
包み込まれるような愛をいつも感じながら、その愛を独占してはいけないのだと自分に制御をかけていた。しかし、二人の明日は、もう、無い。
今のシンに拒むものなど何も無かった。ただ、己の欲望のままに、貪欲に温もりを貪ればいい。そんな自虐を頭の片隅で想いながら…ひたすら、ユダを求めた…
胸の突起をついばまれ、背中に走った欲…ソレを追うようにユダの指先が、シンの下肢に絡みつく…欲望の証を包み、熱を引き出す…
抗えない情欲に断続的に嬌声が漏れる…
「は、あぁ……い……ユダ……っ」
求める声が、ユダをも熱くする。身体をずらし、シンの欲望を口に含む…瞬間、シンの肢体が跳ねる…
「うっ…ああっ……そん…な…っ…あっ」
もっと、感じたい、魂の奥まで、ユダを感じたいと、ユダの首に下肢を絡ませる…引寄せ、自らの快感をもっと、深く、と……
「…このまま……いけ……」
濡れた音が正気を奪い、後方を犯す長い指が、狂気を呼ぶ…
「…うっ……ああ………っ……ユダっ………」
細く長い声が、閨に呼応する…