「13.

    螺旋 」

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“ピ――――ッ!”


点滅する、TV画面。

『GAME OVER』


――――俺達のGAMEOVERは
いつ――――――?










不確かな未来を確実にする為に俺達は今日も「GAME」を続けている。



「あ゛っ?」
「いやだなぁ……トキさん、また聞いてなかったっしょ?」
「ああ、悪い…」



冬枯れの都会。
吹き付ける風が、並んで歩く二人のコートを剥がそうとする。
足元からは、カサカサと何かが這い登る……音…



「…出ない……っスねぇ……」
耳元に当てた携帯からは、もう、何十回も聞いた、呼び出し音が、

これでもかっ!と、響いている。
「……お前、中条の行きそうなトコ、知らないの?」
「……!?…ぐっ………!」
「………………」
「そ、それは、俺もトキさんに聞きたいっスよ!」
「………………」
「…なんだぁ……やっぱ、トキさんだって………」
「………悪い」
「あっ、それ、二度目v」
「ん?」
「俺、今日、トキさんに『二度も』あやまってもらっちったv」
「……………………で?」
「『で』?」
「…で……何が、そんなに嬉しいことなんだ…?」
「………あん??…そう言えば……」
「ああ〜〜っ?」
「なんででしょうねっ!!」



振り仰いだ空は、相変わらずの重苦しい空で。
青空なんて、何処にも無くて。
行く先なんて、何処にも無くて。



「あ゛〜〜〜っ!どうすんすか?今度の「GAME」!!

メンツ揃わなきゃ、計画も立てられないじゃないですかぁ〜〜っ!」
「……女…か…?」
「……また……ですねぇ……きっと…………」
「……ああ」



二度でも振り仰いだ空には、やっぱり、何にも無くて…
堂々巡りの思考だけが、吸い上げられるような
陰険な空で……
何処までも登り続けるしかない
彼らには、その螺旋階段の終着点は
見えているのだろうか?



「……斉藤」
「はいぃ?」
「…寒い……満楼軒、行くか…」
「そうっスね……とりあえず、今は、する事も無いしぃ」
「ああ………」



並んで歩く二人に風が、背中を………押していた。





END