この世の命のすべてを愛する――
その姿は、慈悲深く、敬愛するに値する。
…天に住まいし、神は……
………六聖獣の反乱により、羽根を、失う……
極彩色の華、咲き乱れる地は、虚しきモノになりて……
「……あっあああ、ユダ……っ……お願いですっ」
「……シン……もう……いい…か…?」
額の汗が、裸の胸に落ちる…荒い息に上下する、シンの胸元に…
「どうか…生きて……生きて、もう一度……」
「……ああ、約束する…きっと、生きてもう一度お前と……」
ユダの欲望に貫かれ、シンは喜びの声を挙げる…
狂ってしまった世界で今だけは、真実だと、シンは泣いた…この温もりだけが、自分のモノだと…
二人がまた逢えるという保障は何処にも無い…皆、死を決して挑むのだ。天界の長、ゼウスに。
絶対神へ向かうべく、六人の天使は、光の朝の中に立つ。
背後に同士となった歳若き天使を従え、真っ直ぐに前を見据える。
明日がどうなるのか、それはここにいる誰もが知りえない。だが、行かねばならない。
天界に平安を取り戻す為に…
「俺達の目指す場所は、ゼウスの神殿だ」
闘いの声が挙がる。
限りない、希望を込めて……
「……いい朝、ですね……明日は、皆で何処か、出掛けましょうか」
シンが、皆を振り向き様、そう、言った…