「八戒……?」
「ああ…すみません……寒かったですか?」
「…何、見てる…?」
「あなたが…見てる、夢を……」
「…フン……てめぇは…人の頭ん中も…見えんのか…?」
「まさか…そんなに器用じゃ、ありませんよ…」
「…なんだぁ……それは……」
「まだ…眠そうですよ……三蔵……」
「……………」
「…僕?…もう少し、あなたを見ていますよ…」
「…おもしろいか…?」
「…あなたの見てる夢が見たいな…って…」
「マジ…だったのか…?」
「…バレバレですかね……」
「……気色わりぃ…ヤツだな……」
「あらら……嫌われちゃいましたか…」
「……でもねぇ…あなたの心が見たい…見えたらいいなぁって…
…そう、思ったら、目が冴えちゃいまして…」
「…フン………そんなモン…見たって…どうしようもねえだろ……?」
「……そうですかぁ?」
言葉はただ 唇の上を通り過ぎ 意味を無くす
視線は その一点のみを愛しみ 意味を失う
腕は 互いを繋ぐ 始点になり
…肌は、その手段になる
伸ばして 触れたモノが 真実なら
信じるだけ
沈黙の中を
信じる…
END