「十二単」



欲が、擡げてくる…



うわべで微笑んでいる…自分…



ほんの小さな切欠さえあれば、崩れてしまう…



危うい、精神の糸…



"嘘"の自分…汚い…とさえ、思える、わたしの心…!!



…何故、わたしは…





古の姫が纏ったという「十二単」



わたしの心も十二枚の衣で覆い隠してしまいたい…!



…あなたに…見つからぬうちに…



…すでに汚れてしまったのでしょうか?わたしのあなたへの想いは…



『天使にあるまじき感情』



そう、咎められる前…に……



あなたの隣に居ることさえ、許されない…



だけど…止められないのです…



あなたへと流れていくこの気持ちを…!





…ハープを弾く事が、怖い…



想いが音になり、溢れてしまいそうだから…



…ユダ……ユダ……繰り返す、その名前が わたしを熱くする…





「…あなたに触れたい…ユダ……あなたにもっと……!」

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