「流れ星」
……どのくらいの時が経ったのか。
二人、寄り添ったまま、座る、若草の上…
「…星が……」
「…あぁ…」
互いが次の行動を起こせないまま、時だけが、過ぎる。
青天が、夜に変わり、時を終えた星が、闇を切り裂き、流れる…
触れ合った場所から流れ込む体温が、別の衝動を生む。
それを認めた、その時に…
きっと、始まる、刻…
「…行くか…?」
「はい……」
触れ合ったまま、 抱き合ったまま、 二人は、館への道を辿り始めた…
二人の周りに存在するものは、壊れゆく星の嬌声のみ…
変化していく時間を確かに感じたまま、 指を絡め、確かめる、体温…
「このまま…俺の館へ来い…天空城へは…今夜、帰らない…」
「…ユダ…あなたが…そう、望むなら……」