「夜肌」
…閉じられた空間に対峙する、影…
夜の帳が降り、明かりは、月の光のみ。
輪郭を虚ろにしたユダが、手を伸ばす…
瞬間、 瞳を閉じる、シン…
触れてしまえば、それは衝動になり、
止められない想いになる…
「……シン……こちらへ…」
差し出された手を震える指で、抱く……
「…ユダ…わたしは……」
「もう、何も言うな…二人の想いは同じなのだと俺は思った…
だからここへお前を招いた」
「……あっ…」
知られまいと隠していたはずの想い…
そのすべてを知っていたとユダは言う。
いや、感じていたと…
触れたユダの指が、意図を持って、シンの肌を滑る…
背中を這い登る感覚が、欲情だと知って、身を引こうとする……
しかし、それは、ユダの絡まる腕に阻まれる。
すべては、必然の出会いだったのだと。
今、共に過ごすことが、運命だったと、シンは想った…
もう、
『離れられない…』
…と……
「…んっ…!」
吐息はすべて、ユダの唇が吸い取っていく…
…濡れた音が、薄闇に響く…
ユダの唇が、喉を伝い、胸元に下りたとき、シンは自ら身体を開いた…
すべてを、受け入れる為に……
「…今夜は、あなただけのものです…この身もこの、心も……」
「…俺だけのものだ……シン……愛している…」
交わされる言葉はすべて、新たな熱を呼び、 絶え間ない、歓喜の声になる…
求め、求め続け、充足する、その一瞬…
二つの影は混ざり合った…