「チェックメイト」
「……………!?」
1勝12敗…対戦結果…
「…もう、一戦、します?」
「いや…今日は、もういい………」
「そうですか……じゃあ、コーヒー、入れなおしますね?」
「……ああ」
二人で、借りたコテージ。
窓の外は、木枯らし…
キッチンから、香る、ほろ苦さ…
「…明日、何が食べたいですか?」
唐突な質問。
「…明日…?」
「ええ、クリスマス、ですから…」
「……ふん…!……特別なことなんざ……いらねぇよ」
「そう、ですかぁ…?」
…残念そうな声音……気落ちした、八戒の横顔………
「…………………」
「はい…どうぞ」
コトッ、
音を立てた、カップ。
「…ビーフシチュー………」
「…えっ……?」
「………………」
「あっ!………はいっ!!わかりました!」
「……明日は、雪か?」
「…そうですね、きっと、綺麗ですよ……ホワイトクリスマス……
おいしいもの、たくさん作りますから、ね?三蔵……」
「………………ああ」
途切れた会話。
上昇する、温度。
二人だけの空間が、熱を放ち、絡み始める…唯一の時間。
…そして、
小さな……kiss……
to 三蔵side to 八戒side