陽 光




コンビニ帰りの久保田
締め切った部屋
気だるい午後
温度の高い…部屋…
ソファの上で、うたた寝の時任。

「アイス、溶けちゃうよ?…時任…?」
真紅の太陽、
…汗で、肌に張り付く、白いTシャツ……
透ける……肌色……

「……んっ……う……うん…久保……ちゃん……」
額に浮かぶ、汗の玉……
半開きの唇から、漏れた……名前……

「あれぇ…?…俺のユメ、見てんの?」
コントローラーが、上下左右、乱暴な扱い…

「だ・か・らっ!!…俺、んな事、言ってないってっ!」
「ふうん……時任って、ユメ、も記憶出来るんだぁ…感心、感心……」
「うっ……もぉっ!勝手言ってろよっ!」
星の瞬き、
開け放った窓、
涼やかな風 ……
拗ねた背中……

「なぁ……久保ちゃん……」
「ん?」
「……ゴメン……」
「何が?」
「…何が…って……」
いつもの飄々とした顔に、表情は、無い。

「…だって……久保ちゃん、さっきから、怒ってる……」
「……怒ってんのは、時任のほうじゃない……?」
ぶつかった視線を外すまいと、絡み合う……
この、視線、外したほうが、負け。

「…ハイハイ…降参……」
両の手を肩の高さまで、上げたのは、久保田。
「いいんでない?…これで……」
「……うううっ………」
「……で?…俺とどんな事してる、ユメ、見てたの?」

見透かすような久保田の視線に頬に朱を散らす時任。
強ち、久保田の予想も、遠からず……?

「……ユメじゃ……無くして、あげよっか……?」
雑誌を投げ捨て、近づく、足音……

「って……っ!?な、なんなんだよ!この手はっ!?」
「…ユメの続き、しよっか…?」

陽炎のような、ユメの中で、ただ、二人、寄り添う……

永遠に続く、時間の中で……